柴野大造・中乃波木 能登町ふるさと物語2018年11月2日(金)9日(金/再放送)午前8時~8時30分放送

世界ジェラート大使・ユネスコ平和メッセンジャー・能登町ふるさと大使の柴野大造さんと、写真家で能登町ふるさと大使の中乃波木さんが能登町の魅力をお伝えしています。ナビゲーターは綿谷尚子。

 

 

 [乃波木のフォトダイアリー] 

photo by 中乃波木

 

中さんの写真とお母さんの俳句で綴る俳句写真集「寒卵プリンに生まれ変はる午後から」親子が初めての土地で生きる姿や美しい自然が綴られています。

 

~柿食へばぽつんぽつんと過去のこと~

~うつむいて柿むく婆の艶ばなし~

 

その昔、お嫁入りには必ず柿の木を持たせたとか。やがて、子宝に恵まれ、孫も生まれ、婆になりこの世を去る。

 

お嫁入りの時の柿の木は、火葬の薪として使われ天に。   十七波

【ゲスト】 鵜川の菅原神社宮司の梅田真人さん

 

晩秋の能登町。11月7日夜。鵜川の菅原神社では、大鏡餅をけなしあう「いどり祭り」が開催されます。鵜川界隈の6地区の人が菅原神社に集まり祭りはスタート。用意された直径1.2メートルの

大鏡餅を前に、来年の餅を造る当番は、今年の餅やお膳の餅などについて様々な難癖をつけ、悪口・・・「いどり」が始まります。

 

人の顔のようにしわくちゃだとか、表はきれいでも裏が割れている。裏表があるということだな・・あるいは、ネズミにかじられたのか・・・などさんざんに悪態をつき、これに対して今年の当番は

形は悪くても味で勝負するなど、いろいろ弁解しますが、容易に治まらないので神主が仲裁に入って話が治まるという珍しい神事です。今年の餅の悪口を言うことで来年の豊作を願います。祭りは500年続くとされ、1日から8日にかけて行われる八講祭の中心神事です。

 

いどりと弁明はユーモラスで、見る人の笑いを誘い、石川県の無形民俗文化財に指定されています。宮司の梅田真人さんは現在51歳

。26歳からこの役につき、ご自身も楽しみながら進行役を務めているそうです。いどりは完全にアドリブで、梅田さんは良い頃合いを見計らい仲裁に入ります。親から子へ受け継がれる伝統。神社から聞こえる楽しげな笑い声。晩秋の夜は更けていきます。

  

[ハンディやしき ふるさとの記憶館】 

 

「伝承・迷信編 再放送」

出典 内浦町史第二巻民族編 第3節俗信 1003~1005ページ)

 

日本各地には、先祖からの伝承や迷信とも言われる風習やことわざが伝えられています。能登町にはこんな言い伝えがありました。

旧能都町の町史第一巻 口頭伝承編からご紹介しましょう!

                                      

頭のついた魚を食べれば記憶力が増す

 

夜に味噌をあぶれば天狗が来る

 

真昼に生まれた子供は立身出世(りっしんしゅっせ)すれば大臣や大将となり、そうでなければ無頼漢(ぶらいかん)・・つまり暴れん坊となる

 

鳥が水浴びをすれば雨になる

 

狐がクワンと鳴くときは火事があり、コーンと鳴くときは平穏だ

 

雷がゴロゴロ鳴るとき線香を焚けば鳴りやむ

 

墓場の道路を直そうといったものが次に死ぬ

 

 

 

伝承・迷信とは、古代信仰が宗教にまで高められることなく社会に残ったもの。我々現代人から見ると不合理な物も多いけど、何かの意味があり人々の人々の間に広く信じられ実行されたのもまた事実。科学が発達していない時代、幸せを願って日々ことわざをつぶやいた祖先の健気(けなげ)な姿が浮かぶではありませんか。

 

 

 

【観光・催しインフォメーション】

 

いどり祭り

 

晩秋の能登町。11月7日夜。

鵜川の菅原神社では、大鏡餅をけなしあう「いどり祭り」が開催されます。

 

用意された直径1.2メートルの大鏡餅を前に、来年の餅を造る当番は、

今年の餅やお膳の餅などについて様々な難癖をつけ、悪口・・「いどり」が始まります。

 

地区の氏子はさんざんに悪態をつき、対する方はいろいろ弁解しますが、容易に治まらないので神主が仲裁に入って話が治まるという珍しい神事です。今年の餅の悪口を言うことで来年の豊作を願います。

祭りは500年続くとされ、いどりと弁明はユーモラスで、見る人の笑いを誘います。祭りは、石川県の無形民俗文化財に指定されています。

 

 

アマメハギ

 

文化庁は10月24日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の補助機関が、「能登のアマメハギ」など8県10件の伝統行事で構成する「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録するよう勧告したと発表しました。

 

アマメハギは、新年に奇面をつけた神々が集落の家庭を巡る行事です。囲炉裏や火鉢に長くあたっているとできる火だこ「アマメ」をはぐと脅かし、怠け心を戒めます。1979(昭和54)年、国重要無形民俗文化財に指定されました。11月26日から12月1日までインド洋のモーリシャスで開かれるユネスコ政府間委員会で、勧告通り登録が決まる見通しです。

 

来訪神は、正月などに仮面をかぶったり仮装したりした人が「神」として家々を訪れ、幸福をもたらすとされる行事です。10件はいずれも国の重要無形民俗文化財に指定されていまする。貴重な文化遺産。次世代に伝えて行きたいですね。

 

 

次回、11月16日の放送は、人気企画「能登町クイズ第2弾」です。