柴野大造・中乃波木 能登町ふるさと物語2019年1月25日(金)2019年2月1日(金/再放送)午前8時~8時30分

世界ジェラート大使・ユネスコ平和メッセンジャー・能登町ふるさと大使の柴野大造さんと、写真家で能登町ふるさと大使の中乃波木さんが能登町の魅力をお伝えしています。ハンディやしきふるさとの記憶館では町の歴史をご紹介します。ナビゲーターは綿谷尚子。

 

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 「あえのこと」ユネスコ無形文化遺産 国指定重要無形民俗文化財

 

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【ゲスト】

 

今回のゲストは、「あえのこと」の保存に力を尽くしていらっしゃる能登町柳田植物公園施設長、馬場信義さんです。

 

「あえのこと」は、田の神様を家に招いてもてなす伝統の農耕儀礼です。農家の主人が水田から迎え入れた神様を古式ゆかしく料理

や風呂でもてなし、今年の実りに感謝をささげるものです。国連教

育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産で、国指定重要無形民俗文化財でもあり、能登の「宝」と呼ばれています。

 

「あえのこと」は、田の神をお迎えする12月5日と田の神が田へ出られる2月9日の2回行われます。家の主人は田んぼからうやうやしく神様を家の中に招き入れ、まずはお風呂をすすめます。次に松や木々で飾られた客間に招き入れご馳走を振舞います。上座には、朱色には塗られた上等な御膳の上に、小豆ご飯や煮しめ、魚、甘酒などが用意されています。主人は正座してうやうやしく料理を

様にすすめます。

 

田の神はこのようにもてなされ、1年の苦労をねぎらい、春まで家族と共に休んでいただきます。そして2月には再び水田に出ていくのです。馬場さんは、柳田植物公園の合鹿庵(ごうろくあん)であえのことの実演をお見せしています。

 

 

左から 中さん・綿谷さん・柴野さん・馬場さん

 

 

 

【ハンディやしき ふるさとの記憶館】

 

[伝承・迷信 柳田村編!]

 

出典 能登町文化財・神和住の真念寺の鬼簿帳

 

  

昔むかし能登の柳田に、とっても筆まめなお坊さんがいらっしゃいました。その方は、浄土真宗大谷派真念寺9代目ご住職の慶俊(けいしゅん)さんです。今回は、慶俊和尚が記した空から大豆や小豆が降った話をお伝えしましょう。

                                        

時は安永2年2月9日、1773年のことです。静かな山間のお寺に激震が走りました。

なんと、ご住職が空を見上げますと、大豆や小豆、モミ米が降ってくるではありませんか。

 

普通ならここであわてふためくところですがこのご住職、とにかく筆まめで几帳面、冷静に記録を残さずにはいられなかったようです。

 

「ソラヨリ大豆、小豆、モミ米フリ申由。アズキマメハウエ申候、不思議ナル事に候、此辺多クヒロヒ申候、越中、かが、モ同事ニ候由、アサノミモフリ候ヨシ」

(そらよりだいず、あずき、もみごめふりもうすよし。あずきまめはうえもうしそうろう、 ふしぎなることにそうろう、このあたりおおくひろいもうしそうろう、えっちゅう、かがもおなじことにそうろうよし、あさのもみふりそうろうよし) 

 

現代文にしますと「空から大豆や小豆、もみ米が降ってきた。小豆は畑に植えたが何とも不思議なことだ。この現象は村々界隈で多く見られたが、越中や加賀でも同じことが起きたそうだ」といった感じになります。

 

能登町教育委員会の学芸員で古文書を読み解く寺口学さんは、空からおたまじゃしが降った例を指摘します。

 

これは2009年に起きたもので、中島市民センターの駐車場にオタマジャクシおよそ100匹が降ったのを皮切りに、同様の目撃情報が県内各地のほか、宮城や埼玉、鹿児島など全国各地で相次ぎ、話題となりました。                  

 

原因「鳥が落とした」「突風や竜巻が巻き上げた」など諸説あります。さあさあ空から豆事件の真相はいったい何なんでしょうか。                         

 

 

【インフォメーション】

 

 [のと寒ぶりまつり]

 

真冬の能登町宇出津港。1月20日日曜日。雨にもかかわらず、のと寒ぶりまつりの会場に大勢の人々が詰め掛けていました。これから行われるお刺身の振る舞いに長蛇の列ができ、歌い手が場を盛り上げます。テントでごきげんな声をあげているのは、海の味覚と地酒に舌鼓をうっている人々。極上のお酒と冬の幸がぜいたくな時間へと誘います。

 

この前日19日には、宇出津発祥の将棋に似た駒を使う遊び「ごいた」の大会が近くの会場で行われ県内外の112人が参加しました。県外からお越しになった方々は「ごいた」の大会と寒ぶりまつりの両方を楽しみました。

 

[アマメハギ]

 

ユネスコ無形文化遺産 国指定重要無形民俗文化財

 

とっぷりと日が暮れ、暗闇に包まれた秋吉地区。静まり返った山々からは時折、獣のいななく声が聞こえます。そんな山から徒党を組み、ぞろぞろと下りてきたかのような小さな鬼の一行は、手に手に模造品の包丁をぶらさげ、びっくりするような音を打ち鳴らし、家の中に入り込んで子どもを驚かせます。

 

鬼がやってきた!!幼子は泣き叫びますが、これは能登に伝わる大切な伝統行事、「アマメハギ」です。幼児が成長する中での通過儀礼。大人は子どもを膝に乗せて待ち構えます。

 

アマメハギの開催は2月3日日曜日午後5時30分頃。秋吉地区をはじめ、町内では四箇所で開催予定です。秋吉地区は一周するのにおよそ2時間。鬼の後ろをついて回れば子どもを戒めるシーンをご覧いただけます。ただし、日が暮れた山間の集落はかなり冷え込みますので、お出かけの際は厚着をお忘れなく。

 

アマメとは、いろりに長く座っていると手足にできる火だこのころ。アマメハギは田畑の耕作開始を前に農家を外へ促す意味もあり、この行事が終わると能登に待ち遠しかった春が訪れます。

 

                        Copyright 能登町

 

この番組は、翌週再放送でお送りしていますので2月1日にお聞きの方は1月25日の再放送になります。次回、2月8日のゲストは、能登町長・持木一茂さんです。町の取り組みや町政について話を伺います。